研究倫理規定

日本貿易学会研究倫理規定

〔前文〕

日本貿易学会員は、理論、実証試験などの様々な手法と基礎研究から応用研究、政策分析などの様々なテーマの貿易関連の研究を行っており、研究成果は、現実の経済政策や制度設計に影響力をもつ可能性がある。また、貿易研究においては、個人や組織の情報が用いられることがあり、情報の取り扱いや分析結果が経済社会に様々な影響を与える可能性がある。したがって、本学会員は、研究の社会的、経済的影響を認識し、貿易研究の発展および社会の信頼に応えるために、本研究倫理規定を遵守しなければならない。

1. 公正と信頼の確保

貿易の研究・教育、学会運営にあたって、会員は、他者の生命、健康、安全、財産を侵害しないように、公正を維持し、社会の信頼を損なわないよう努めなければならない。そのために、可能な限り、実際のまたは認識された利益相反を回避し、それらが存在する場合は影響を受ける当事者に開示するとともに、専門的活動における違法行為を回避し、あらゆる形態の贈収賄を拒否しなければならない。同時に、会員が本規定に従うことを支援し、規定が遵守されるように努め、違反を報告した個人を保護し報復を行わない。

2. 研究目的と研究手法の倫理的妥当性

会員は、研究目的と研究手法の倫理的妥当性を考慮し、たえず専門能力の向上に努め、業務においては最善を尽くし、事実やデータを尊重するとともに、持続可能な慣行の遵守に努めなければならない。

3. プライバシーの保護と人権の尊重

調査および実証試験を実施するにあたって、またこれらに関する教育を行うにあたって、会員は、社会における文化の多様性に配慮し、すべての人を公平かつ敬意を持って扱い、性別、性的指向・性自認、障がい、年齢、出身国、人種、信仰・信条などの特性に基づく差別を行わず、調査対象者のプライバシーの保護と人権の尊重に最大限留意しなければならない。

4.ハラスメントの排除

いかなる種類のハラスメントも行わず、また学会活動等におけるハラスメントの防止に務める。虚偽または悪意のある行動、噂、またはその他の口頭または身体的虐待によって、他者、その財産、評判、または雇用を傷つけないようにするとともに、他者や環境を危険にさらす可能性のある情報を得た場合は、迅速に開示するか、もしくは関係者に通知する。

5.研究資金の適正な取扱い

会員は、研究資金を適正に取り扱わなければならない。

6.著作権侵害の禁止

会員は、研究のオリジナリティと他者の知的財産権と知的成果を尊重し、著作権などを侵害してはならない。剽窃・盗用や二重投稿をしてはならない。

7.研究成果の公表 会員は、研究の公益性と社会的責任を自覚し、研究成果の公表に努め、社会的還元に留意しなければならない。

付則

日本貿易学会は、貿易に関する研究・教育における倫理的な問題に関する問題が生じた際には、「日本貿易学会研究委員会」をおいて検討する。

本規定は 2025 年 5 月 25 日より施行する。

本規定の変更は、日本貿易学会理事会の議を経ることを要する。